御鎮座の由緒
社 格
無格社 創立より昭和28年2月まで
白幣社 昭和28年3月1日
銀幣社 昭和28年11月18日
金幣社 昭和39年8月15日
聖 地
当神社の鎮座地は昔より、伏見稲荷大明神の御使者(おししゃ)、白狐の御来泊所と言い伝えられ幾多の霊穴があり、近郷より不思議な縁起のよい穴と信仰が寄せられた聖地でありました。
由 緒
今を去る260年ほど前、延享元年(1774)頃、連年凶作が続いたので村人達が村内安全、五穀豊穣祈頻のためこの聖地に稲荷大明神を奉祀した。
次第に世の中は立ち直り、その後天明の大飢饉に際し京都伏見大社から御分霊を勧請する議が起き、村人6人が上洛して熱願懇望した。
結果、遂に文化元年(1804)2月、御分霊の神璽を戴き、同別当から御鍵と証を与えられました。
かくして新しく社殿を造営して鎮祭し、明治維新まで初午大祭(例祭)には注)別当寺より社僧の参拝奉幣が続きましたが、明治維新の改革により、官命でやむなく別当寺からの初午祭奉幣は中止となり、御本殿を村社八幡神社境内に移転し、八幡神社(瑞浪市稲津町小里鎮座)の境内に奉斎しておりました。
*注)別当寺とは、江戸時代以前に、神社を管理するために置かれた寺のことである。
聖地へ再度遷宮
しかし里人達は旧地を聖地として参拝する者があとをたたないので明治14年以降旧地に御遷座を出願したが、容易に実現しなかった。里人の懇願により、明治25年旧聖地に復帰することが許可されました。その後、明治30年5月御造営が完成し遷宮祭を執行、その後、昭和5年境内に鎮座の津島神社を合祀し、その後今の本殿の美が整い平成15年幣殿、社務所など新築し、御鎮座200年を奉祝して整備が行われました。
遠近より参拝する崇敬者は、霊験あらたかにして家内安全、五穀豊穣、家業繁栄の御神徳の尊さに因るものである。
また昭和39年8月15日岐阜県神社庁より金幣社の称号を賜る。
地域と神社沿線
昭和初期昭和15年頃の稲荷神社境内競馬の様子、当地は陶土の生産が盛んで、その陶土を馬車で各地に運ぶため馬の飼育頭数は多く、初午当日草競馬で夕方まで賑わった。しかし、トラックの普及により馬は居なくなり、今は昔草競馬も昔の物語となりました。
初午大祭の際には、今でも当時の出来事。競馬大会で境内を疾走をしたことを思い子供たちに木曽馬に乗馬を初午大祭の際イベントを開催していました。
地域崇敬者と小里お稲荷さん深い繋がり
当神社の初午大祭及び翌週日曜日二の午祭には、崇敬者が家の神棚から神使いの陶製の狐像を奉持し、お像を幣殿でお祓いを受け御祭神と、神謁(お合せ)し神明の加護を祈り、家の神棚に安置する信仰行事「お使者合せ」が早朝より日没まで続きます。
※神社にはそれぞれの神様にかかわる、神のお使いがいます。春日神社に鹿・北野神社に牛・八幡神社に鳩。稲荷神社に狐とは土地によっては狐の鳴き声や餌の食べ方などによって占いをしたり狐にまつわる民話もあります。狐は農耕を妨げる野ねずみや野兎を退治したり水田近くによく現れることから農耕の神様のお使いと言われるようになりました。
荷機稲荷神社 宝物
荷機稲荷神社 宝物
西暦 | 年号 | 内容 |
1804 | 文化1年 | 江戸時代中期連年凶作が続いたので村民が協議し村内安全・ 五穀豊穣のため、京都伏見稲荷本社から御分身神を勧請奉斎した。 |
1874 | 明治7年 | 明治維新で官令によりやむなく本殿を小里八幡神社境内に移転 |
1892 | 明治25年 | 以後旧地に遷座を強く出願明治二五年五月二日付で遷宮許可 |
1897 | 明治30年 | 現在の本殿・拝殿を三ヶ年余苦心して造営遷座 |
1926 | 大正15年 | 遷座西広場にテニスコート開設・東濃四郡の競技大会開催1874 |
不詳 | 初午に草競馬会を催していたが、馬が皆無のため中止 | |
1930 | 昭和5年 | 津島神社を合併し荷機稲荷神社を稲荷神社と改称 社務所新築 |
1941 | 昭和16 | 社務所において農繁期のみ季節保育所開設(数年間) |
1952 | 昭和27年 | 講和条約発効を記念して月参講を組織、現在に続く |
1953 | 昭和28年 | 銀幣社に昇格 |
1954 | 昭和29年 | 稲津招魂社創立を承認(岐阜県知事許可) |
1964 | 昭和39年 | 金幣社に昇格 |
1974 | 昭和49年 | 社務所屋根葺替 |
1981 | 昭和56年 | 旧稲津小学校玄関の石畳を使用して参道改修 |
1987 | 昭和62年 | 幣殿新築、本殿拝殿修復並びに屋根銅板で葺替 |
2003 | 平成15年 | 御鎮座二百年を奉祝して社務所改築と拝殿改修 稲荷神社を荷機稲荷神社と創立当時の社名に改称 |
○荷機稲荷神社御由緒掲載記事並びに添付写真は「瑞浪市観光協会ホームページ」を参考といたしました。
○荷機稲荷神社由緒については、岐阜県神社名鑑参照。